大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和43年(行ケ)68号 判決

〔判決理由〕

(審決を取り消すべき事由の有無について

二 本件における事実上の争点は、本願商標と引用商標とが外観の点において相類似するといえるかどうかにあることは、本訴における当事者双方(とくに原告)の主張に徴し明らかなところ、両者をその外観について対比するに、原告も指摘するとおり、本願商標においては中央部分白抜き、すなわち白地空間であるに対し引用商標はこれに相応する部分が黒塗りとなつている点など仔細に観察すれば若干の差異はあるにしても、これを全体としてみれば、いずれも菱形模様の図形のものとして相近似した外観を呈することは、それぞれの構成に徴し明らかなところであるから、両商標は、外観上相類似するものというを相当とする。原告は、引用商標は旭硝子株式会社の商標として周知のものであるから、本願商標と誤認混同される虞はない旨主張するが、たとえ引用商標が右会社の商標として周知のものであつても、そのことは、両商標が相類似し、したがつて、本願商標の登録出願が商標法第四条第一項第十一号の規定する場合に該当するものであるという判断を左右するに足るものでないことは、多くの説明を要しないところであるから、原告の右主張は、もとより採用するに足りない。

(むすび)

三 以上説示したとおりであるから、その主張の点に判断を誤つた違法があることを理由に本件審決の取消を求める原告の請求は理由がないものというほかはない。よつて、これを棄却する。

(服部高顕 三宅正雄 石沢健)

目録

構成 いずれも黒く塗りつぶした同形の菱形図形三個を左上辺に、横長平行四辺形二個をこれに接して斜め平行に画き、該平行四辺形の右端の中央に前記菱形図形と同形の菱形一個を配して全体的に菱形に構成されるように表してなる図形から成る。

指定商品 第一類(商標法施行令第一条、商標法施行規則第三条による商標区分の別表)化学品

登録出願 昭和三十七年八月三十日

構成 いずれも黒く塗りつぶした四個の同形菱形を上下左右に対称的に配し、その中央部に同形同色の菱形一個をその各辺を白抜きにして重ねて画いて成るもの。

指定商品 第一類 化学品(他の類に属するものを除く)、薬剤、医療補助品

登録出願 昭和三十六年七月二十一日

登録 昭和三十九年二月六日

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!